ざっくり解説!DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

IT

ITの進化が目まぐるしい近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にする事も増えたかと思います。「DXってよく聞くけど詳しくわからない」「なんか2025年の崖って事は聞いたことはある」「とりあえずITを推進するってこと?」という方も多いのではないでしょうか。

本記事ではDXとは何かを ざっくりと ご説明します。

DXはなんとなく知ってる、でも全然会社で浸透しない、という方に向けた『DX推進の効果的な方法』については別記事にてご紹介いたします。

目次

DXの概要

1 DXって何?

2 いつ頃からDXという言葉が露出し始めたの?

3 なんのためにDXを行うの?

4 DXを推進しないとどうなるの?2025年の崖って?


1 DXって何?

DXはデジタルトランスフォーメーション(Digital transformation)の略称で、「デジタル技術やITの技術革新が浸透することで、人々の生活がより良いものに変換されていく」という概念です。

経済産業省によるとDXの定義は下記になります。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
(経済産業省『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン』:https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf)

ちなみに補足ですが、Transformationなのに”X”を使うのは英語圏では”trans-“で始まるものをXで表す事があるためです。
Xfer=transfer, Xmit=transmit的な感じです。

2 いつ頃からDXという言葉が露出し始めたの?

2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱しました。
(ちなみにウメオ大学は『THE世界大学ランキング2020で302位、日本でいうと名古屋大・大阪大学と同じくらいの順位です。※こちらのランキングは偏差値が全てではないのでなんとも言えませんが、スウェーデンの中での旧帝大&早慶上くらいでしょう、きっと。)

DXという言葉がメディア媒体でも多く取り上げられ始めたのは経済産業省が『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』を発表した2018年頃でしょうか。
(DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf

別途どこかで説明しますが、DXのキーとなる『クラウド』の巨大企業、Amazon Web Serviceが2006年にサービスを開始、2011年に日本上陸しているので、この頃から徐々に増えていったものだと思われます。

3 なんのためにDXを行うのか?

要は、様々な産業においてデジタル技術とともに新たなビジネスモデルを展開する新規参入者が登場し、産業構造が著しく変化しているため、昔ながらのやり方を続けていたら淘汰されてしまう、という事です。

昔ながらのやり方というのは商品やサービスの売り方だけではありません。DXを推進するという事はIT技術を導入する事で生産性を上げていきます。人口減少で2050年には働き手が総人口の半分になるという予測も出ているので生産性を上げるための業務フローの改善や円滑なコミュニケーションを図る事も重要になるのです。

それだけではありません。現代はグローバル社会です。
ひと昔前は日本企業は国内で戦っていればよかったものが、現代は海外から新サービスがどんどん入ってきます。

ざっくり言うと、

ビジネス環境ってやばいくらい変化してるよね。
Amazonの電子書籍Kindleが出てきて書店が潰れてるよね。動画配信NETFLIXや音楽配信Spotifyが出てきてTSUTAYAがやられてるし、TV局の視聴率も2桁いけば良いって風潮になってるよね。サイバーエージェントの時価総額が、あの電通様を越したらしいよ。
データとデジタル技術を活用してビジネスモデル変革されちゃった。今まで通り旧態依然で同じ事やってたらどんどん主導権握られるじゃん。
ていうか、いわゆる日本企業ってお堅いし、紙文化だし、ハンコリレー大好きだし、無駄に年功序列あるし、そのくせ年齢が上のお偉い人たちデジタル技術についていけない人多すぎで全然会社にIT入れたがらないし・・・あれ、これやばくない?やばいよね?どんどん負け組になっていくじゃん!
さぁ、今まで通りのやり方でいると潰れちゃうよ〜。わかるよね?
DX進めなきゃ、やばいってこと、ね?

と、お国は言ってるんですね。(筆者の主観です。)
「でも、2025年の崖って言われてるけど・・・DX進めないとどうなるの?」という意見もあるかと思います。

次はDXを推進しなかったらどうなるのかを説明します。

4 DXを推進しないとどうなるの?2025年の崖って?

経産省のレポートの題名にも2025年の崖という言葉が入っていますが、そもそも今のまま何もせずにいるとどうなるのでしょうか。
レポートによると下記3点が指摘されています。

・既存システムの老朽化
・技術的負債の増加
・人材不足

つまり既存のレガシーシステムに限界が訪れつつあるということです。
複雑化・ブラックボックス化する社内の核となるシステムでは、データの利用や連携が限定的になる上に、レガシーシステムは機能拡張やメンテナンスに膨大な費用がかかります。

2025年までにレガシーシステムを捨て、システムを刷新できなければ、IT予算に占めるIT管理費だけで9割に達すると言われております。要はもはや維持するだけで手一杯で戦略的なIT投資は何もできなくなるということです。

そして現代、クラウドの利用が当たり前になっているということは、IT人材はクラウドの勉強をします。つまり、クラウド移行していないシステムを触れる知識を持った人間が純粋に減少していきます。
残った方はある意味取り合いになりますので当然人件費も上がりますよね。大手システム会社はそういった”古き逸材”を囲うでしょう、何故なら古いシステムを扱う場合の方が相手に逃げ場がない分、がっぽり儲けられますから。

ざっくり言うと、

2025年までにシステム刷新しなかったら、IT予算の9割使って維持するだけで手一杯だよね。古いシステムなんか、扱える人もどんどん減ってくし、ベンダーに頼んでも費用はどんどん上がってくし・・・。
競合他社がDX対策に早い段階から取り組んでたらそれだけでもう勝ち目がなくなっていくよね。でもやらない方が悪いよね!

ってことです。

さて、今回は『DXとは何か』ということと、『どれだけ重要なのか』という点にフォーカスし、少し口は悪くもご説明させていただきました。
「DXを推進しなければいけない」「ITをもっと取り入れなければいけない」と思っていても、残念ながら日本国内90%以上の企業の上層部はあんまり会社を変えたく無いんです(憶測です)。自分がついていけなくなるから。
今までのアナログの方が役職や権力などの既得権益を守りやすいんです。

DXについては、別記事
・DXの4つのポイント
・DXを効果的に推進するためには
を執筆予定です。お楽しみ?に!

本日の部活はここまで!お疲れ様でした!

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